ファーウェイ・ジャパンのサポート拠点である「ファーウェイ・カスタマーサービスセンター」が5日、東京・銀座にある商業施設「銀座ファイブ」内にオープンしました。修理対応やサポートサービスを提供し、修理受付から対応完了まで1時間というスピードを実現するとしています。Huaweiのデバイスプレジデント呉波氏は、「Huawei製品の疑問や問題に対してソリューションを提供するコミニュケーションの場」としており、店頭サービスの充実によって、さらなるブランドイメージの向上を図る考えです。
呉波氏によれば、このカスタマーサービスセンターはグローバルで設置しているセンターと同機能を有しており、国際保証のある端末であれば、訪日外国人が持ち込んだSIMフリーのファーウェイ端末を持つユーザーのサポートも可能だといいます。逆に、日本人がSIMフリーのファーウェイ端末を持って海外に行った場合でも、国際保証があれば海外のセンターで修理などが可能だということです。
- ファーウェイ カスタマーサービスセンター
- 店内の様子
- Huaweiの呉波氏
Huaweiは、グローバルでは昨年1億800万台の端末を販売し、世界第3位のスマホメーカーとなりました。日本のビジネスの中心は2007年から開始したキャリア向け端末ですが、14年からはSIMフリー市場に参入してHuaweiブランドでスマホやタブレットなどを販売しています。
SIMフリー端末の販売はまだそれほど大きくはないようですが、日本でのブランド価値の向上と顧客満足度の向上を狙って、今回銀座にカスタマーサービスセンターを開設し、購入前の相談、購入後の使い方の問い合わせ、故障時などの修理を店頭で対応できるようにします。
液晶の交換や内部の部品交換ですむ修理であれば、バックヤードの修理エリアで技術者3人が常時対応し、修理自体は30分程度、受け付け開始から1時間で完了する体制を整えました。その場では修理受付だけ行い、完了後に自宅などに無償で送付することも可能です。
- 修理エリアでは、引取分を含めて修理登録が行われる
- 修理はその場で行われる
- 修理用の部品や端末も置かれている。GoogleのNexus 6Pの修理も可能なようです
これまでも、「エンドユーザーが肌で感じられるような、目に見えるサービス」(呉波氏)として、電話やメールサポートに加え、LINEによるチャットサポートを開始し、修理の端末も無料で引き取るなど、順次サポートを拡充してきた同社ですが、店頭サポートの提供で、「Huawei製品を安心して使える環境とカスタマーエクスペリエンスを提供する」(同)としています。
ほかには、同社のSIMフリー端末が店頭で試用できるほか、アクセサリー類の販売も行っています。ただし、端末販売は行わないそうです。
日本には、世界でも類を見ないほど多くのフィーチャーフォンユーザーがおり、初めてスマホを使うという人も多いため、スマホの使い方としてアプリのダウンロード屋インストール、電話のかけ方といった使い方のサポートも行うそうです。
カスタマーサービスセンターの人員は9人で、すべて技術者。常時6人がおり、3人が引取修理分も含めて修理を行い、店頭で3人が対応するようです。キャリア端末の修理や大口の修理はほかの2カ所の拠点で対応しますが、基本的に個人のSIMフリー端末の修理対応はこのサービスセンターが対応するとしています。
通常は日本で販売したSIMフリー端末が対象となりますが、例えば海外からの旅行者にも対応できるように、英語と中国語ができるスタッフもいるほか、ファーウェイ・ジャパンのサポートにその場で連絡して通訳しながら対応する、といったことも可能だとしています。
- 対象となるのはファーウェイが日本で発売したSIMフリー端末
- 店内のレイアウト
最後に話を聞いた呉波氏は、銀座を選んだ理由について、「秋葉原や渋谷も候補地としてはありましたが、SIMフリー端末を販売するパートナーとも相談して、最終的に銀座にした」と言います。ショッピングのついでに立ち寄って、色々な製品に触れて欲しいとしています。
銀座にはアップルストアもありますが、それ自体はこの地を選んだ理由とは関係ないと言います。今回のサービスセンターが中高年層をターゲットにしている点は影響しているかもしれません。また、同じ銀座ファイブの1階には楽天モバイルのショップがあり、ほど近くにビックカメラもあるため、端末販売で誘導できるというメリットもあるのでしょう。
この銀座の1号店に続いて、ほかの場所にもカスタマーサービスセンターを開設する計画はあるとしており、場所や時期については検討中としています。同社自身の直営店だけでなく、パートナーが運営するサービスセンターということも考えているそうです。
呉波氏は、「大規模な広告で短期間、ブランド力を向上させることはできても、それに見合った製品とサービスが伴っていなければ顧客に満足してもらえない」と指摘。過去にもそうして撤退を余儀なくされたメーカーがたくさんあった、としており、「他社の教訓から学んで、独自の生きる道を見いだした」と話します。
すでに、グローバルでは同様のカスタマーサービスセンターが350店舗以上あるそうですがが、同社は「アフターサービスは赤字で構わない」という位置づけで、消費者に満足してもらえるサービスを提供するのが目的、と呉波氏はアピール。
呉波氏は、今年の日本のSIMフリー市場が2015年の2倍の規模に拡大するとみるが、ファーウェイ自身は「日本市場での一番の目標は生き残ることで、合理的な範囲内の売上があればいい」という。市場の拡大によって単純に売上が伸びることを目指すのではなく、継続的にサービス、品質、ブランド価値を高めていき、満足してもらえるような製品とサービスを提供することで、差別化を図っていく考えです。