Pixel Watchの気になるところ

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Google純正のスマートウォッチとして注目の「Pixel Watch」。発売を前にレビュー用として試用していたのですが、いくつか気になるところがあります。

Googleマップでの道案内も可能なPixel Watch

Suicaが機種変更扱い

レビュー中、Suicaを新規発行しようとしてずっとできなくて悩んでいたのですが、最終的にGoogleからの説明が

同じ Google アカウントを使い、スマートウォッチとペアリングしたスマートフォンとは異なる端末で Suica を既に設定されている場合、まず、従来よりお使いの端末で Suicaカードの機種変更の手続きを行って頂く必要があります。

Google広報

ということでした。確かに、Pixel Watchをペアリングしているスマホは、メインSuicaを設定しているスマホとは違う端末でした。メインSuicaスマホはドコモ、ペアリングしているのはauで、Pixel WatchのLTE機能を使うために、ナンバーシェアが使えるau回線のスマホとペアリングしていたので、これは盲点でした。当然、同じGoogleアカウントを設定していたので、この制限に引っかかったようです。

48カ月無料キャンペーン中なのでナンバーシェアもテスト

その場合の手順としては、

  1. Suicaを使っているスマホのおサイフケータイアプリから機種変更(預け入れ)の手続きを実行。
  2. Pixel Watchでカードの追加からSuicaを選択
  3. ペアリングしたスマホには、預け入れしたSuicaが表示されるので、そのまま追加するか新規カード発行を選ぶ
  4. 発行完了

という手順になります。最近は、同じGoogleアカウントを設定しておけば、おサイフケータイアプリでのSuicaの移行はとても簡単になっています。そのため、たいした手間ではありませんが、ちょっと引っかかりやすいところなので注意が必要です。

なお、Pixel Watchからさらに機種変更したい場合は、Apple Watchの場合と同様、そのままSuicaを削除するとサーバーに待避されるとのことなので、別の端末で同様の受け取り作業をすることで移行が可能とのことです。

しかし、スマホとPixel WatchのどちらにSuicaを入れておくかは悩ましいところです。本当は、残高を共有した上で2つの端末上に同じSuicaが発行できるのがうれしいのですが、無い物ねだりなので、絶対に忘れない方に入れておくのが良さそうです。

ちなみに、預け入れしたSuicaをそのままPixel Watchで受け取った場合、Suica ID番号はそのまま継承されます。そのため、そのまま使ってもJRE Pointの対象となる……はずです。

こちらはSuicaを使って改札を通過するところ。改札はSuicaを画面に表示した状態で通過しましたが、表示しない状態でも使えるかもテストしています
2022/10/14追記
Pixel Watchに移行したSuicaは、残高が一定以下の時に改札を通過するとオートチャージをする、という設定をしていたのですが、Pixel Watchで改札を通過したところ、オートチャージがされたため、設定がそのまま移行されたようです。
2022/10/23追記
当初から、オートチャージ以外、Google Payを使ったチャージが動作していませんでした。クレジットカードのセキュリティコードが通らないという不具合で、検索してみると過去にも同様の事例が発生していたようで、理由はよく分かりません。特にアップデートなどはしていませんが、23日になって、どうやらチャージできるようになったため、ようやく普通に使えるようになりました。

wena 3と共存共栄

もともと、ソニーのwena 3を利用しており、HUAWEI Watch GT 2のヘッドを、wena 3 rubberに装着していました。この場合、wena 3のバンドの上にヘッドを乗せる形なので、時計側のセンサーが使えなくなりますが、wena 3のセンサーが使えますし、家ではヘッドを外して身軽なスマートバンド、出かけるときだけヘッドを装着、という使い方ができました。

こんな感じで装着していました

Wear OS向けに日本でもGoogle Payが始まった段階で気になっていたのですが、Wear OSではGoogle Payを使うためにウォッチ側の画面ロックの設定が必要です(このあたりはApple Watchも同様ですね)。PINかパターンが選べ、一度解除すると、「装着を認識」している間は再ロックがかかりません。装着認識は、背面のセンサーを使っているようです。

つまり、wena 3 rubberに組み合わせると、装着していると認識されず、毎回ロック解除が必要になってしまうわけです。これは痛い。ペアリングしたスマホと接続している間は、一度ロック解除したら継続する、という感じだとうれしいのですが、そうはならないようです。

Wear OSがGoogle Payに対応したことで、Wear OS搭載スマートウォッチの購入意欲が高まっています。ただ、wena 3との併存をどうするかが悩ましいところ。wena 3 metalならスマートウォッチ側のセンサーも使えますが、スマートバンドとしては使えません。個人的には1週間は平気でバッテリーが持つwena 3を常時装着し、出かけるときだけスマートウォッチのヘッドを装着するのが一番便利だと思うわけです。

これは別の取材で撮影したwena 3ですが、metalだとヘッドのセンサーが使える反面、ヘッドだけ取り外してバンドを着けることができません

まだWear OS向けGoogle Payの機能が十分ではないので、wena 3の決済機能も役立ちますし、何よりバッテリーの心配がないのが強み。しかし、Google PayがウォッチでもiDやQP、楽天Edy、クレジットカードのNFC登録に対応したら、いよいよwena 3との共存が悩ましくなります。困ったものです。

なお、海外モデルのPixel Watchに関しては、どうもFeliCa自体は搭載している模様です。Googleによれば、

FeliCaに対応しているのは日本モデルのみだが、ソフトウェアによるアップデートは海外でも技術的には可能。ただし、今後の予定については現時点では未定

Google広報

ということでした。日本に来る旅行者が気軽にSuicaを発行してチャージして交通機関に乗れれば、とても有効な取り組みになると思うのですが……。

Google Fitの位置づけは?

Pixel WatchにはFitbitの機能が盛り込まれている、というのはいいのですが、普段Androidスマホなどで使われているGoogle Fitとの関係がいまいちよく分かりません。何しろ、Pixel WatchにはGoogle Fitがプリインストールされておらず、インストールしても「このデバイスではサポートされていない」と表示されてしまいます。

しかし、他のスマホやスマートウォッチではGoogle Fitが使われていますし、Google Fitと連携するアプリも多いので、データとしてはGoogle Fitに集約した方が便利。FitbitとGoogle Fitは標準でデータ同期に対応していないようで、このあたり、どういう位置づけなのか、今ひとつよく分からない印象です。

Pixel WatchにはFitbitのプレミアムサービス6カ月間が付属しているので、有料サービスへの誘導を重視したのかもしれませんが。まあ、Google Fitアプリが対応すればいいとは言えますが、2種類を使う意味はあまりないので、データ同期に対応してくれれば良いのですが。

2022/10/16追記
Google Fitがアップデートして、いつの間にかPixel Watchをサポートしていました。FitbitとGoogle Fitの2つを使い分ける感じになるようです。
Google Fitのスクリーンショット

スクリーンショットはどう撮るの?

細かい点ですが、Pixel Watchの接続アプリは「Watch」アプリ。それまでのWear OSアプリではありません。これまではアプリからスクリーンショットを取得できたのですが、Watchアプリにはその機能がなく、どうやってスクリーンショットを撮るのか、現時点で分かりませんでした。

2022/10/16追記
Pixel Watchのスクリーンショットの撮り方ですが、ペアリングしたスマホの「設定」→「デバイス情報」→「ビルド番号」の連打で「開発者向けオプション」をオンにすることで、Watchアプリにスクリーンショットの項目が現れました。円形のスクリーンショットは撮れないようです。

アプリを増やして!

なかなか増えなかったWear OSアプリですが、Google自身がデバイスを投入したことですし、もっと積極的にアピールして欲しいところ。Pixel WatchやGalaxy Watchを販売するauやソフトバンクも自社アプリの対応をお願いしたいところですね(特にPayPayとau PAYあたり)。

どうなるGoogle Pay

海外ではGoogle Walletに移行しているGoogle Payですが、日本では今のところ、まだGoogle Payのまま。Wear OS向けにはこの10月からようやく日本でも使えるようになりました。ただ、現時点で登録できるのはNFCに対応した一部のカードとSuicaのみです。

Google PayがApple Pay並みになれば……

スマホ向けにGoogle Payが日本で始まったときもそうでしたが、日本向けはNFCの対応が一部のデビットカードのみで、最近ようやく、アプリ経由で三井住友カードなどがクレジットカードのNFCにも対応したばかり。

iD、QUICPayとの共存のあたりで何らかの課題があるのかもしれませんが、Wear OSでは今度はiDとQPは非対応でSuicaのみ。楽天Edy、WAON、nanacoも非対応です。これはかなり不自由です。クレジットカードに関しては、Revolutを登録し、そのチャージ手段としてクレジットカードを使うことで強引に代替することは可能ですが……。

日本のGoogle Payは進捗が遅いような気がしてならないのですが、このあたり、何とか対応してほしいものです。

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