Ankerが新たに発表した充電器は、新たな充電技術として「GaNPrime」に対応しました。GaN(窒化ガリウム)を使う点は変わりませんが、100W以上の出力に対応し、複数デバイスへの同時充電では、動的に供給電力を変動させる「PowerIQ 4.0」によって、どのポートを使っても最適な電力が供給されるようになりました。こうしたことから同社では、「GaNPrime」シリーズで「”同時”急速充電という、新常識」というコンセプトを提案しています。
GaNPrimeシリーズ
複数デバイスへの充電向けの新技術のため、新製品は全てマルチポート搭載。従来、電源ICは一体型でしたが、制御ICとGaNトランジスタを分散配置。インフィニオンやInnoscienceなど5社の電源ICを組み合わせて熱源を分離。立体配置も可能になったそうです。
この分離配置に加えて、PCBA 3Dスタッキングによるプリント基板と電子部品の配置の自由度が増し、最適な回路構造を実現できたと言います。電力密度が極限まで高められたと同社。エネルギー効率は94.1%に達したとのこと。
PowerIQ 4.0では、100W以上の高出力にも対応。新たに搭載されたDynamic Power Distributionによって、複数ポートのそれぞれで定められていた上限ワット数がなくなり、最適な電力配分が可能になりました。デバイスが必要とする電力は、充電器自体が毎秒検知して、自動的に配分を変更。充電効率が向上しました。
従来のAnker製品だと、USB Type-C×2ポートの65W充電器で、1つは最大45W、もう1つは最大20W、といったように固定されていました。PowerIQ 4.0によって、どちらのポートでも最大65Wが出せるようになりました。複数デバイスを接続しても、最大65Wになるように、両方のポートで最適な出力で充電されるということです。
ActiveShiledは、温度管理と出力制御で接続端末を保護する機構ですが、これもActiveShiled 2.0になり、温度上昇の監視回数が、従来の2倍となる35回/秒となり、1日300万回の監視を行うそうです。充電器本体の熱が一定に達すると、電流・電圧の負荷を調整することで温度上昇を抑えるとしています。
GaNPrimeシリーズは6製品が登場。
- Anker 735 Charger (GaNPrime 65W)
- USB Type-C×2,Type-A×1、8月29日発売、7,990円
- Anker 737 Charger (GaNPrime 120W)
- USB Type-C×2,Type-A×1、8月29日発売、12,990円
- Anker 747 Charger (GaNPrime 150W)
- USB Type-C×3,Type-A×1、9月中旬発売、14,990円
- Anker 733 Power Bank (GaNPrime PowerCore 65W)
- USB Type-C×2,Type-A×1、8月29日発売、14,990円
- Anker 727 Charging Station (GaNPrime 100W)
- USB Type-C×2,Type-A×2,AC×2、8月29日発売、12,990円
- Anker 615 USB Power Strip (GaNPrime 65W)
- USB Type-C×2,Type-A×1,AC×2、8月29日発売、6,990円
今冬には、世界初のGaN搭載ポータブル電源も発売します。リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載し、2,048Whの大容量となっています。合計13ポート搭載。また、合計240WでAnker最高出力という充電器も冬に発売します。
- Anker 767 Portable Power Station (GaNPrime PowerHouse 2048Wh)
- AC×6,USB Type-C×3,USB Type-A×2,シガーソケット×2、2022年冬頃発売、価格未定
- Anker 749 Charger (GaNPrime 240W)
- USB Type-C×3,USB Type-A×1、2022年冬頃発売、価格未定
USB PD 3.1対応製品
USB Power Delivery(PD) 3.1では、出力が最大100Wから240Wまで拡張されています。Ankerでは、まずは140W対応製品を投入します。発売は9月中旬から。まずは2製品が発表されています。
- Anker 717 Charger (140W)
- USB Type-C×1、9月中旬発売、9,990円
- Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000)
- USB Type-C×2,Type-A×1、9月中旬発売、19,990円